10年履ける靴に育てる靴磨き レッドウィング編



当店のブログをご覧いただきありがとうございます!


名古屋大須と豊橋にある靴修理RADIANです。





ブログではワークブーツの修理事例紹介が特に多い(実際お預かり数もワークブーツが1番多いですが・・・)、ドレッシーな紳士靴やスニーカー修理・スニーカーカスタムなんかも数多く修理・カスタマイズさせていただいております!!




今回は、アメリカのブーツメーカー、Red Wingレッドウィングの永遠の定番モデル・875 アイリッシュセッターをブーツメンテナンスでお預かりしました。





今回は、ワークブーツをお手入れする方法を、道具紹介とともに解説いたしますが!


クロケットジョーンズやオールデンなどの、ドレスシューズ紳士靴やパンプスなどの婦人靴でも

基本的な靴のメンテナンス方法は共通ですので参考にしていただければなっと思います。





さて

パッと見たところまだまだ新しく、育ってくれるのはこれからって感じのレッドウィング875アイリッシュセッター


購入してから1年程度の状態だそうです。





履かない機会も多いらしく、履きシワすらもほとんどついていない状態ですね。




ご本人曰く、全体的にはキレイだけど、つま先あたりのひっかき傷は気になっているとか・・・






ワークブーツでは、こんなひっかきキズも履き込むことによって味わいとなり雰囲気をましていくものですが、新しい状態だとちょっとした傷でも気になってしまいますよね。



さて



お預かりする際に、全体的にチェックして診断したとろ、つま先のキズもそうだけど、ちょっと乾燥気味かなと思いました。

購入してから、普段お手入れはしていないそうです。


お客様と相談して、つま先の傷の補修も含む靴磨きによるブーツメンテンスをオススメしました。








これぐらいの浅い傷なら、気にせずガシガシ履いてほしい!


キズもワークブーツにとって魅力を引き出す、勲章みたいなもの・・・


とはいえ、ブーツが新しいうちは大事にしたいから、どうしてもキズが気になっちゃいますよね






お客様から、お預かりしたブーツに、こんな感じの手順でブーツメンテナンスを施しました。



①馬毛ブラシで全体をブラッシング
傷がつかないように優しくブラッシング。ホコリを入念にはらい落とします

[コロニル] コロニル 馬毛ブラシ 17cmx5.4cmx4.5cm CN044042 Brown F





小さいミニサイズが価格的にはお手頃ですが、ある程度大きなサイズの方が手に馴染んで使いやすいですよ。


仕事柄色々なメーカーのブラシを使う事がありますが、コロニルの馬毛はギュッと毛がしっかり埋め込んでありながら、価格は2000円未満とお得感がありオススメです。






あとは
予算に余裕があるならこちらもお勧め

サフィール社のグランドホースヘアブラシ。全長が20cm近くある大きな馬毛ブラシです。



場所は取ってしまいますが・・・

これだけ大きなブラシでブラッシングすると気持ちいいいです。(笑)



使い心地的には、先に紹介したコロニルブラシより毛が長くやわらいかいので、ガシガシ系のブラッシング心地ではなく、さささっとした軽い感じのブラッシング心地です。

この辺は好みの別れる所ですね。

正解があるわけではなく、ホコリが落ちてくれればいいだけなので、売り場でいろいろ試して見るのもいいかもしれませんね。

サフィール グランドホースヘアブラシ





②クリーナーで汚れ落とし。
今回はコロニル社のレザーソープを使いました!


通常靴磨きでは水性系乳液状のクリーナーを使うのですが、今回の靴がやや乾燥気味であった事、結構明るめのカラーのレザーである事



液体状のクリーナーだと、水分を吸いすぎてシミにならないかな?っとちょっと心配になったので、今回はより広い範囲に一気に塗れて、よりシミになりにくいムース状のクリーナーであるレザーソープにしました。







通常は乳液状のクリーナーである、M.MOWBRAYのステインリムーバーやコロンブス・ブートブラックのツーフェイスプラスローションだったりを使います。

こちらの乳液状のタイプのクリーナーの方が、汚れ落としの能力は高いです。


シミになりそう素材や面積など、色々な要因によってクリーナーも使い分けています。


[コロニル] 汚れ落とし レザーソープ 200ml CN044034 Colorless 200ml


[エム・モゥブレィ] 汚れ落とし M.モゥブレィ ステインリムーバー 60ml


ブートブラック・ツーフェイスプラスローション




クロスに適量クリーナーをとり、ささっと全体を優しくふきあげるのがポイント!!



クロスは専門店で、靴磨き用のクロスも売っていますが、使わなくなったTシャツなどの切れ端でもOKです。





ちなみに当店では、国産晒し布の生地を生地屋さんで購入して、帯状にカットして使っています。






汚れが気になる箇所があるからって、1ヶ所ばかりゴシゴシやってると、その場所が色抜けの原因や表面が荒れてしまいます。


どうしても気になる所は、ささっと軽くを何回も繰り返しましょう






③つま先の傷補修
これは上級者とプロの技です。初心者は修理店に頼みましょう(笑)



ですが、やり方としては単純です。凹んだところにサフィールのレノベイティングクリームなどで穴埋めする。パテのように盛り盛りして、盛り上がったところを、細かい紙やすりで削って、平になるようにする。

作業自体は単純ですが、結構時間がかかるので根気がいります。


サフィール・レノベイティングクリーム


カラーバリエーションはたくさんあるので、自分の靴に近い色を探してみてくださいね。ない場合は、絵具のように色を混ぜ合わすことも可能です









④革に保湿クリームの塗布
当店では乳化性クリームをオススメしています。

当店では通常業務ではサフィールのクリームを使っています。1000円程度が割とよくあるスタンダードタイプの価格帯なのですが、この価格帯のクリームの中ではサフィールの青色の蓋のクリームがお勧めですね。ツヤ感結構出ますよ


サフィール ビーズワックスファインクリーム



こちらのクリームは、ワークブーツだけでなく、ドレスシューズなどの紳士靴やパンプスなどの婦人靴でももちろんオススメ



今回は

乾燥気味だったブーツに栄養たっぷりあげたいことから、ちょっとだけ良い上級グレードのクリームを使いました。



シアバター配合のサフィール・クレム1925クリームを塗布。ツヤもめっちゃ出ます。








さらにこのクリームの良いところは、匂いもめっちゃいい香りがするというところですね。


靴クリームは安いものだと、石油系のツンとした臭いがするのですが、比較的高価格帯のクリームは、天然素材のみで作られているものも多く、フローラルな香りも楽しめるモデルも多く存在します。


今回は色々なカラーの靴にも使える、無色のニュートラルカラーを使用

[サフィールノワール] SaphirNoir クレム1925 75ml 9551033 (ニュートラル)[HTRC4.1]



クリームの塗り方ですが


ハンドクリームを塗るように指で塗っても良いし、クリーム塗布専用の小さなブラシ、例えばペネトレイトブラシのような道具を使うと、指では届かない細かいところまでクリームが塗れて便利。


指も汚れないしね。





[アールアンドデー] R&D ブラシ ペネトレィトブラシ 7012 (マルチカラーフリー)






ひと昔前までなら、ブーツのお手入れの定番ミンクオイルでももちろん大丈夫なんですけど、ミンクオイルはベタつきが出るのであまり好きじゃないんですよね、個人的に

このベタつきが汚れを拾ってブーツの黒ずみなどの原因になったりするし・・・



ただ



ミンクオイルのベタつきが気にならない人は、油分が強いミンクオイルを使う事によって革もしなやかになるし、革の表面に油膜ができて多少の防水効果も期待できるから、ミンクオイルも悪いわけじゃないのでご安心ください。

バイカーさんやワークブーツを本当にアウトドアで履く人だと、ミンクオイルの方が良いかもですね。







⑤豚毛ブラシでブラッシングして磨きあげ


全体をマッサージしてあげるようにブラッシングしてあげます。クロスで磨き上げてももちろんOKなんですけど、ブラシの方がツヤが出ます。



最初に使った馬毛ブラシでもできなくはないのですが、ブラシの毛先に油分が着いてしまうと、また今度使う時にホコリや汚れが付着してしまいます。


可能であれば、馬毛と豚毛それぞれの用途に合わせて使い分ける事をオススメしますよ。




サフィール 豚毛ブラシ





艶出し用の豚毛のブラシには、売り場でよく見ると、天然の豚毛を使ったブラシと化繊のブラシが存在する事に気付きます。


実際のところ化繊のブラシでも十分艶は出るし、用途としての機能はあるので十分なのですが・・・コストも化繊タイプの方が安い物が多いですね。







当店で業務で使っているのは、やはり天然物の豚毛ブラシを使っています。

天然の豚毛の方がコシが強く、個人的には艶出しのブラッシングはガシガシとマッサージするようにブラッシングしたいので、天然の豚毛ブラシをチョイスして使っています。



柔らかいブラッシング心地がお好みの方は、化繊タイプを選んでみても良いかもですね。





⑥クロスでふきあげ
靴磨きの仕上げとして、柔らかめのクロスでふきあげます。

靴に付着している余計な靴クリームなどを拭き取りと最後の磨き上げですね。



ここで使うクロスは、最初に使った使い古したTシャツの切れ端でもOK

専用のクロスや道具だとこんなアイテムもあったりします。





靴磨きの仕上げ用ぺダック レザーグローブ

MOWBRAY 靴磨きの仕上げ用 グローブクロス





ここで一通りの靴メンテナンスは完成となります。


あとは


お好みで防水スプレーだったり、消臭スプレーなどをしてあげれば完璧ですね









補足として

⑦最後に、ソールクリーニング

経年劣化による黄ばみや汚れの黒ずみが気になる方はオススメ。
ここまでで、今回のブーツメンンテナンスコースの完成

よく靴やブーツは履き込んで育てる、味が出てくるなんて言いますけど、今回のように定期的なメンテナンスをしてあげないと、うまく革がエイジングしてくれないんですよね。





まだ新しいうちは大差でないかもしれないけど、ちょっとしたひと手間で10年後20年後大きな差が確実に出ますね。

特にレッドウィングのような本格的なブーツは、修理を含む日々のメンテナンスを怠らなければ20年30年ちゃんと愛用できますからね。











当店に持って来ていただければ、もちろん喜んでメンテナンスさせていただきますが、シューケア用品を揃えて自分でメンテナンスしてあげると、よりブーツに愛着が生まれてオススメです。


記事内に出てきた、シューケア用品は当店で全て取り扱いのある商品です。
靴磨きしたいけど、どんな道具を揃えたらいいの?って方はぜひご来店ください。





靴の話やメンテナンス方法をレクチャーしながら、お客様にオススメのシューケア用品を見繕います



Amazonでも購入可能なので、店頭もしくはネットで道具を揃えて、ぜひご自身でも靴磨きして見てくださいね。

当店ではレッドウィングの色々なブーツの修理が可能です



RED WING 875のバリエーション

エンジニアブーツのソール交換バリエーション

レッドウィング ベックマンのソール交換バリエーション



LINEやメールなどでワークブーツに限らず、色々な靴に関するご相談・お問合せお待ちしております!!お気軽にお問合せくださいね〜










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